英単語ターゲット1200,1400,1900 重複してる単語は? どう使えば良い?

※この記事は、2020年に当時の担当生徒向けに作成したものを、一般公開向けに一部加筆・修正したものです。ターゲット1400が手元にあるのに「1900の方が良いんじゃない?」と迷って取り組めてない生徒に「1400も1900も最初は変わらんからとにかくやれ」と指示したら、「それって先生の感想ですよね?」「なんかそういうデータあるんですか?」と言われたので作りました。

目次

旺文社の単語帳 ターゲットシリーズ

ターゲット1200、1400、1900

英単語ターゲットはシンプルな紙面レイアウト、公式アプリの使い勝手の良さなどから、新規で何か1冊導入しないといけない人にパッとおすすめしている単語帳の1つですが、たまに「学校で1400が配られたけど簡単すぎる気がするから最初から1900を自分で買ってやるのアリですか?」みたいに迷う人がいます。

この記事では、それぞれの収録単語のうち重複単語という観点から、ターゲットシリーズの効率的な選択・利用方法を検証します。目的に合った使い方をしないと時間を無駄にすることになります。それ以上に、あれこれ迷ってる方がよっぽど時間の無駄です。納得したら先に進んでください!

ちなみに、比較はあくまでも重複単語という観点です。将来的に触れることになる英語に対してのカバー率(1400で共通テスト読めるようになる?とか1900で九大受かる?など)という観点の独自検証は含まれていません。1200、1400、1900で対応可能なレベルは出版元の旺文社が謳う対応レベルを天下り的に受け入れます。それで特に問題、乖離はないと思っています。

英単語ターゲットシリーズのレベル


英単語ターゲットシリーズのレベル
https://www.obunsha.co.jp/pr/target/lineup/

【結論】重複してる単語は結構多い

英単語ターゲット1200、1400、1900 重複単語比較

接続によっては重複率が75%ほどに上る

「結構かぶってるような…」と感じる人がいる通り、単語の重複はたしかに存在します。
以下、それぞれのタイトルにもなっている数字、ターゲット1200(収録1200語部分)、1400(収録1400語部分)、1900(収録1900語部分)で比較すると…

  • 1200と1400の重複は603語。これは1200基準で50%、1400基準で43%に相当。
  • 1400と1900の重複は1033語。これは1400基準で74%、1900基準で54%に相当。
  • 1200と1900の重複は393語。これは1200基準で33%、1900基準で21%に相当。
  • 3つ全てに収録されている単語も366個ある。

別にこれは闇でも何でもなく、出版元の旺文社も公式に認めている“仕様”です。

みなさんの中には「1900」の中に「1400」の英単語がすべて含まれている、あるいは全く別の英単語が掲載されていると思っている人もいるかもしれないのですが、実はそれは違います。上でお伝えしたように、「1200」のあとに「1400」か「1900」のどちらかを選んでいただくという仕組みにしているので、「1400」と「1900」は実は多くの英単語が重複しており、簡単に言えば、目標とする到達レベルの違いから「1900」のほうがより難しい英単語まで掲載されています。ですので、繰り返しになりますが、目指す大学レベルに応じて、「1400」か「1900」のどちらかをお選びいただければと思います。

旺文社 ターゲットのひみつ
♯06「ターゲット」は、どの大学受験レベルまで対応できるの?
「1900」「1400」「1200」のどれを選んだらいいの?

これを読むと、そもそも重複が75%になるような1400→1900の接続利用は公式には想定されていないことが分かります。また、公式には1200→1400か1200→1900を志望に応じて選択してもらう前提であることも分かります。

重複が欠点になるかは使い方による

「うちの学校、1年で1400が配られて1年間かけて覚えさせられました。2年になったら1900が新しく配られて、それから3年の今まで1900やってるんですけど…。何も考えていないくそカリキュラムってことですか? そういえば1年から2年に上がるときに英語の担当教員ごっそり入れ替わりました…」

連携ミスなのか、意図的に導入されているのか、分かりません。意図的な可能性だって十分あると思います。
公式が想定していない1400→1900の接続だって、人によっては(あるいは特定の学校・学年の集団によっては)効果的な場合もあるでしょう。

1400でも1900でもやる方が大事

目の前に1400あるならとりあえずそれに取り組んでから次を考えればいいし、どうしても重複が嫌っていうなら最初から1900にすればいい。あれこれ悩む時間の方がもったいない!

一応言っておくと、重複ばかりに着目するのは得策ではありません。重複を除いても800~900語、接続によっては1500語もの新たな単語に触れることができるのは事実です。
もちろん、重複が嫌だからターゲットシリーズで学習を継続しないという選択は理に適っています。その場合、自分にとって必要な単語レベルがまだ上であるならば、何か他の手段で取り組めばいいだけです。

ここまで読んで納得できた人は以下は読む必要はありません! 目の前の1400なり1900なり他の単語帳なりに取り組んでしっかりモノにすることの方がよっぽど有益です! みなさんは別に英単語学部 ターゲット学科志望じゃないでしょう!

まだ納得できない、どうしても気になるという人だけ、勉強の息抜きの時間に続きを読んでください。

ターゲット1200 vs 1400

ターゲット 1200 vs 1400

ターゲット1200と1400の重複は603語

ターゲット1200に収録の1200語と、ターゲット1400に収録の1400語の重複は、603語です。

この数字は、
ターゲット1200の1200語を基準にすると50%
ターゲット1400の1400語を基準にすると43%
に相当します。

つまり、ターゲット1200から1400に進むと、1200でやった単語のうちの半分を1400でも再度学習することになります。これは、今までやったことの定着を徹底するという観点からはプラスでしょう。
一方で1400目線で見ると、まだ触れていない単語だけを習得する目的で1400を買っても、収録されている単語の半分弱は既知ということになり、この点はマイナスです。

定着の徹底という特徴を理解してステップアップを図るなら、1200→1400という選択肢はありです。
それに、重複率だけ見るとガッカリしてしまうかもしれませんが、1400には新しく797語が収録されているわけです。未知の英単語を自分で別に約800個も追加で習得できますか? それが難しいなら、1200の後でもターゲット1400に任せるのも悪くないはずです。

重複単語は特に1200では最初から最後まで全体に散らばる

赤いバーコードのような図は、重複単語の収録位置を赤で示したものです。ターゲット1200(収録1200語部分)、1400(収録1400語部分)で比較してるので、幅 1200:1400のバーコードです。

1200の方は後半ほど赤で塗り潰され、1400の方は前半ほど赤で塗り潰されるのでは?と思う人もいるかもしれませんが、特に1200で意外なほど全体に散らばっていますね。1400の方は前半ほど赤で塗り潰される傾向はやや見られます。

ターゲット1400 vs 1900

ターゲット 1400 vs 1900

ターゲット1400と1900の重複は1033語

ターゲット1400に収録の1400語と、ターゲット1900に収録の1900語の重複は、1033語です。

この数字は、
ターゲット1400の1400語を基準にすると74%
ターゲット1900の1900語を基準にすると54%
に相当します。

つまり、ターゲット1400から1900に進むと、1400で既に覚えた単語の約4分の3をもう一度学習することになります。
一方、最初から1900に取り組んでいる最中の人で、1400と比較してハイレベルなことをやってる気になっている人や、1400を格下として見下しているような人がいたとしたら、実は取り組んでいる単語の半分超は1400でもやってることになり、慢心は禁物です。

このように、ターゲットシリーズは1400→1900と進んだ場合にシリーズ間として最も重複率が高く(74%)、今までの徹底という側面が強くなります。その意図で取り組まないのであれば、積極的にこのルートを選択する理由はありません。自分に求められるレベルが1400を超えていて、まだ手元に1400も1900もなくてどちらにも着手していない人は、最初から1900に取り組む方が効率的です。

ただ、1400で紙面レイアウトやアプリに慣れていて覚えやすかったなどの理由があれば、追加867語の習得を目指して差分だけ1900をやってもいいんじゃないでしょうか。

重複単語は特に1400では最初から最後まで全体に及ぶ

先ほどと同様の赤バーコードでは、1400などほとんど全体にわたって1900でもやる単語で塗り潰されてることが見て取れます。これを見ると、1400が手元にあるのに1900にしようか迷うのなど馬鹿らしいと思えるでしょう? もう既に1400配られてるなら手元の1400やってください。

ターゲット1200 vs 1900

ターゲット 1200 vs 1900

ターゲット1200と1900の重複は393語

ターゲット1200に収録の1200語と、ターゲット1900に収録の1900語との重複は、393語です。

この数字は、
ターゲット1200の1200語を基準にすると33%
ターゲット1900の1900語を基準にすると21%
に相当します。

やはりレベルを飛ばすと収録単語の重複率は低くなります。

ターゲット1200には「中学校で習った200語」というセクションが最初に収録されており、その追加200語まで含めると合計1400語を学習できます。中学単語から自信がない人は1200をまず完璧にして、単語学習(英語学習)に抵抗が無くなったなら、志望レベルに合わせて1900へいきなり接続するのもありです。

重複単語はだいぶまばらになる

赤バーコードで比較すると、重複単語は1200ではやはり全体に散らばってますが、さすがに薄くまばらになってきました。1900でも、前半に偏る傾向が強めです。

ターゲット1200 vs 1400 vs 1900

ターゲット 1200 vs 1400 vs 1900

シリーズ3冊の全てで重複するのは366単語

1200、1400、1900の3冊全てに共通して収録されている単語も366個と結構ありますね。そう考えると、この366語に知らない単語が一つでもあるのは許されないかもしれません。

  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!
目次